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 なんか会社のチャットネタが続きますが、先月、会社のチャットでマクドナルドの衰退と吉野家のリンクから最適化の話しになり、「もしトレタが最適化しすぎると、どういう風に発展の妨げになるんでしょう」って話しが出てちょっと面白かったのでブログにまとめて見ることにしました。

 私がアプリ開発で一番怖いと思うのは、既存ユーザへの最適化です。

 既存ユーザはある程度使いこなした上で「あの機能が欲しい」と要望を出してきます。確かにその機能があると便利ですし、他のユーザでも喜ぶ人が大勢います。

 実際、その機能実装すると多くのユーザが便利になり満足度があがります。画面にボタンは増えましたが使わないユーザが不便に思うほどではありません。

 誰も困らないし、この機能追加はとても正しいことに見えます。

 でもその機能があることで、初めて触るユーザはどう感じるでしょうか?画面にボタンが多いほど、マニュアルが厚いほど初めてのユーザは複雑に思い敬遠します。

 機能追加は、既存のユーザの満足度を上げますが、実は未来の顧客を失っていることがあります。

 ここで難しいのは、既存ユーザは目の前にいてポジティブな反応を返しますが、未来の顧客の声を聞くことはできません。そのため、既存ユーザのために新しい機能を追加したくなりますし、短期的にはそれは正しいことです。

 でも、未来の顧客を失っています。そして徐々に新規導入が減っていき、気がつけばユーザが減っていく事態になります。

 さらに既に導入済みの所でも担当者が変わっていくことで、「複雑なアプリ」という印象がつき、リプレース案がでてきます。

 このループを抜けるのは非常に難しいです。iPhoneなども、既存ユーザの大きな声に引きずられている様に見えます。

 会社のチャットでは「ゆくゆくはエントリーモデルと上位プランとかで分けることも必要なんですかね…」という話しも出てきました。

 しかし、これが本質的に問題を解決しないことは、携帯電話のプランを見れば明白です。

 って書いたところで「小さなチーム、大きな仕事: 37シグナルズ成功の法則に書いてありますね」って言われちゃいました。そうだっけ?w

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