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 昨年の3月から開発を始めたMobiRubyは、まだ開発途中で多くの方々に使って頂ける状態ではないにも関わらず、福岡Ruby大賞のポストPC賞と、日本OSS奨励賞を頂くことが出来ました。多くの方が応援してくださった事で、受賞できたのだと思います。ありがとうございます!

 当初の予定より時間は掛かっていますが開発は順調に進んでおり、ObjCとCocoaを使えれば何とかiOSのアプリを書けるようになりました。開発をこのまま進め、ObjCやCocoaの知識がなくてもRubyを使って、気軽にiOSやAndroidのアプリ構築を行えるツールにしたいと考えています。

 MobiRubyは私の趣味であり、RubyでiOS/Androidのアプリが書ければ幸せだなぁというプロジェクトですが、それと同時に海外でも多くの人に使われ、自分の名刺代わりになるプロジェクトにしようという気持ちもあります。

 しかし、世の中にオープンソースソフトは沢山ありますが、いつの間にかバージョンアップが止まってしまい使われなくなってしまうソフトが多数を占め、長い期間生き延びているソフトはごくわずかです。

 10年前、伽藍とバザール(epub/mobi版)を読み、これを実践してみたいと思い、PukiWikiプロジェクトを始めました。試行錯誤をしながらプロジェクトを進め、結果、PukiWikiは多くの開発者を集め、多くの方に使って貰うことができました。

 10年経った今、同じようにMobiRubyというオープンソースプロジェクトを、英語圏で立ち上げたいと考えています。開発中にも、MobiRubyを英語圏でも使ってもらうためにはどうすればいいのか、GitHubの登場でオープンソースが変わっていく中で、どうやって生き残って行けばいいのか、ずっと考えていました。

 そんな中、2月の福岡Ruby大賞の授賞式の会場で、GitHub社やScribd社の開発者や、Silicon Valley Ruby on Railsのファウンダーの方が来ているのを発見し、これはとても良い機会だと思い、無理を言って夜に時間を作ってもらい、彼らに英語圏でオープンソースプロジェクトを流行らせる為にはどうすればいいのかを相談することにしました。

 夜10時過ぎに、全ての訪問を終えた彼らとMatzにホテルの喫茶店で会い、やはり情報発信が大切で自分が何を考えMobiRubyを作っているのか、次に何をしたいのか等をブログ等で公開していくことが必要など、多くの助言を貰うことができました。

 その中でMatzが「MobiRubyが生き残るには、たった1人のフォロワーが重要で、2人目が出てくればその確率がさらに上がる」という事を言った時に、TEDで見た動画を思い出しました。しかしそのときはタイトルまで思い出せませんでした。

 後日、デレク・シヴァーズ の「社会運動はどうやって起こすか」だと分かり、これを見ているうちに、Matzにもう一度話を聞きたい、Rubyではどうだったのか、mrubyはどうしていくつもりなのかを聞いてみたいと思うようになりました。

 そこでTwitterとFacebookに書き込んでみた所、エンジニアTypeの伊藤さんに拾ってもらい、対談という形でもう一度話を聞けることになりました。

 イベントの前に1時間半ほど話をして、記事としてまとめて貰ったのが、「まつもとゆきひろ×増井雄一郎のオープンソース談義 「1人の熱烈なフォロワーがいれば、OSSで世界を変えられる」」です。

 正直、まだMobiRubyが生き残る為に、具体的にどうしていくのか見えていない部分が大きいです。私の英語力も不足しています。それでも、少しでも協力してくれるという方がいましたら、@masuidriveに連絡頂けるとうれしいです。

 こんな個人的な問題に付き合って頂いた、Matz、エンジニアTypeの伊藤さん、Waveの川井さんには、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。


Code Reading
オープンソースから学ぶ
ソフトウェア開発技法


伽藍とバザール



3分の短いムービーなのでぜひ見てみてください。